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営業リードタイムの重要性!営業マネジメントが変わるデータ活用法

営業リードタイムの重要性!営業マネジメントが変わるデータ活用法

貴社の商材は、案件発生から受注までにどのくらいの「日数」がかかるのかわかりますか?

一般的に、「発注から納品までに必要な時間」をリードタイムといいます。
実は、このリードタイムが商談期間においても存在します。
それが、「営業リードタイム」です。
この「営業リードタイム」は非常に重要な営業指標といわれていますが、それはなぜでしょうか。

「営業リードタイム」についてはダウンロード資料「実践!Excelテンプレート~営業プロセス管理~基本編」で簡単に触れていますが、本コラムではもう少し掘り下げてみたいと思います。

営業リードタイムで見込創出期間を管理

まずは、見込創出における「営業リードタイム」の重要性についてです。

営業の現場では、見込創出に関して、「営業リードタイム」が全く考慮されていないケースがあります。

具体的な数字をあげて考えてみましょう。
例えば、期初の保有案件数から逆算して、年間120件の新規見込を創出しなければ予算が達成できない状態だとします。
一見すると、毎月10件ずつ見込を作れば達成可能と思われます。

しかし、本当にこの数字は正しいのでしょうか?
ここに「営業リードタイム」の概念を加えて考えると、答えが見えてきます。

まず、受注までの平均日数を「90日」とします。
続いて、決算を12月と設定します。
この場合、10月~12月に創出された案件は、その期の内に受注になる見込みは低いことがわかります。

案件創出の期間は実質1月~9月の9ヶ月しかなく、数字を達成するためには1ヶ月に13.5件の案件創出が必要となります。
案件創出を担う部門は、この点をしっかりと理解しておく必要があります。

「営業リードタイム」が短くなることで、保有案件数も増やすことができますし、見込創出期間のリミットを伸ばすことも可能になります。
「営業リードタイム」が「売上」を作っていくうえで非常に重要な指標と言われる大きな理由がここにあるのです。

営業リードタイムで案件異常の把握も容易に

次に、案件の異常を把握する指標としての重要性についてみていきます。

先ほどの例のように、貴社商材の「営業リードタイム」は平均90日とします。
それにも関わらず、すでに「180日」以上経過している場合、その案件が「異常」であることが疑われます。

異常があらわれる理由のひとつとして、お客様都合でどうしても「営業リードタイム」が長くなってしまうことがあるのは事実です。
しかし、異常の中身を掘り下げていくと、営業マンが「失注」と見切ることができずに、ズルズルと追客をしてしまっているケースが多く見受けられます。

見る人が見ればすぐに判断できることでも、経験の浅い営業マンの中には、「話を聞いてくれる」「はっきりと断られたわけではない」という“淡い期待”から営業時間を費やしてしまうのです。

それに加え、案件一覧をまとめる際に、本来は案件としてカウントするべきではないものまでカウントしてしまうため、実態よりも案件が多くあるように見えるケースもあります。
これが営業マンの“緩み”を生み出し、予実を狂わせる大きな要因ともなり得るのです。

営業会議でよく見かけるのが、案件一覧に何ヶ月も同じようなものが載っていて、毎月のように「○○さん今月こそは……頑張ります!」のひと言で営業会議を乗り切り、毎年のように未達に終わるという光景です。

当然、営業マン本人の問題もあります。
しかし、マネジメントにも大きな責任があることを自覚しなければ何も変わりません。

営業マネジメントでは、「営業リードタイム」をベースに「案件発生からの経過日数」をモニタリングしていくだけでも、問題がありそうな案件をピックアップすることができます。
但し、「経過日数」が長いからダメということではありません。

状況を個別にヒヤリングし判断することで、営業時間を無駄に使うことを未然に防げます。
さらに、カウントすべきでない案件が見込一覧に上がることも無くなるため、正しいデータを作成できるようになります。

このように、「見込創出」「案件異常の把握」の2点を“キッチリ“抑えるだけでも「案件管理」という点では随分と精度が上がるはずです。

セグメントごとの違いを活かす

もうひとつ、注意しなければならない点があります。
それは、“顧客セグメント”ごとに「営業リードタイム」が違うという点です。
わかりやすいのが、中小企業と大企業の比較です。
両者では、検討スピードがまるで違うため、当然「営業リードタイム」も異なってきます。

また、“案件セグメント”によっても「営業リードタイム」は変わってきます。
具体的には「案件単価」も、そのひとつです。
例えば弊社の「アルテマブルー」という名刺管理サービスでは「月額2,500円/1人あたり」という課金体系になるため、同じ機能でも利用人数によって料金が異なります。

大げさにいうならば、同じ大企業でも「1ID」での検討企業と「1,000ID」での検討企業では、当然「営業リードタイム」も違ってくるのです。

このような様々なセグメントごとの傾向をいかすと、「営業リードタイム」を念頭に置いた案件管理はより効果的に機能します。

自社に合ったリードタイムを考える

今回のケースでは「案件発生から受注まで」としましたが、リードタイムの取り方も自社に合った取り方を検討する必要があります。

「案件発生」ではなく、「問い合わせ日」から「受注」まで。
また、弊社のようにトライアルを推奨している企業であれば「トライアル開始」から「受注」まで。
初回見積提出から本格的に交渉が始まるようなビジネスでは、「初回見積日」から「受注」まで、という考え方もあります。

このように、「営業リードタイム」という“当たり前”のような指標であっても、活用次第で驚くほど営業現場の状況を把握しやすくなります。

さいごに

データ活用に関して重要な役割を担っているのはマネージャー以上の方々です。
この方々がデータ活用に興味を持ち、うまく活用していくことで、データの価値が生み出されます。
その為には、一定の試行錯誤が必要になりますが、「先行投資」と捉えて取り組んでみてください。