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名刺管理コラム

今、改めて「名刺交換」について考えてみる

今、改めて「名刺交換」について考えてみる

2020年は私たちの生活や企業活動において大きな変化が起こり、これまで当たり前だったことが音を立てて崩れていきました。

しかし、それに伴い新たに普及したこともあります。
その一つがデジタル活用です。
特に企業活動においては、非常事態宣言や外出自粛要請がきっかけとなり、テレワークが普及しました。
その結果、ZoomやMicrosoft Teamsなどを活用したWeb会議がこの一年で一気に浸透しました。
そして、これまでデジタル活用が浸透しなかった営業部門においてもWeb会議でお客様との商談を行うことを余儀なくされました。

この変化は多くの営業パーソンに大きなストレスを与えたのではないでしょうか?
弊社でも、当初は四苦八苦しながらWeb会議による商談に取り組みはじめました。
短期間での対応が必要だったため、一定期間集中的にトレーニングを行うことでスキルアップを図りました。
その結果、今ではWeb会議による商談が当たり前の状態になっています。

その後、Web会議による商談を行ってきた中で、そのメリットを感じながらも、デメリットについても浮き彫りになってきました。
その中でも“地味”に不便に感じるのが、「名刺交換」ができないことです。
これまで、「名刺交換」が当たり前に行われていた為、そのありがたさに気付いていなかったのですが、いざできなくなった結果、非常に不便を感じています。
そもそも、「名刺交換」の役割とはどのようなことなのでしょうか?

1.「身分証明」としての名刺

名刺にはある程度の社会的信用を担保する身分証明書のような側面があると考えられます。

例えば、社の重要事項について初めての人と商談する際、「名刺」をださない、または「持っていない」「作っていない」と言われると、少なからずその後のやり取りに抵抗を感じるのではないでしょうか。

企業ロゴと部署名などの書かれた「名刺」を最初にやりとりしているからこそ、安心して商談に入ることができるのです。
形式だけのように見えて、所属と立場が書かれた「名刺」をやりとりするという行為それ自体が、実は社会的信用の第一段階を築いていると言えるかもしれません。

2.挨拶、自己紹介、アイスブレイク

ビジネスにおいて初対面の方との商談のはじめに「名刺交換」をするのは挨拶の一部になっています。
「名刺」には小さなサイズの紙の中に、文字だけではなくビジュアルも含めて様々な情報が載せられています。
その情報を“アイスブレイク”のきっかけとして利用することもできます。
最近では、「名刺」を武器として使うべく、デザインに工夫を凝らす企業も増えています。

3.「所属」「立場」を明示

「名刺」には、商談相手に自分の立場や役割を明示する役割も持っています。
この役割は営業現場だけではなく、様々な商談シーンで重要な役割を果たします。

商談では、「情報交換」「提案」「条件交渉」などが行われますが、商談相手によって提示すべき内容は変わってきます。
逆に言えば、組織においての立場や役割を明示しないことで、本来得られるべき情報を得られなかったり、適切な提案を受けられなかったりすることが起こります。

自分の立場や役割を伝えることは、情報を提供する側にも受け取る側にも重要です。

おまけ.「紹介状」としての名刺

「名刺」は企業間の“つながり”を認識するツールとなります。

会社として「名刺」を交換した事実があることで、「名刺交換」をした本人ではなくても、会社としては“つながり”があることがわかります。
まったく会ったことのない相手であっても、「以前、御社の○○様とお会いしてお話ししたことがあるのですが…」という一言があるだけで、「ああ、そうなんですね!」と、警戒心が解け、こちらの話を受け入れてもらいやすくなります。
そういう意味では、「名刺」は、初対面という困難な関門を通過する「紹介状」の役割を果たします。

さいごに

このように、たかが「名刺交換」ですが、いざ「名刺交換」ができない環境に身を置いてみるとその大切さがわかるようになってきました。
とくに、それを痛感するのが、Web会議における複数人との商談です。

窓口の方とはメールでやり取りをしているため、最低限の情報は取得しています。
しかし、当日参加いただいた方々の情報は口頭での紹介となります。
その口頭での紹介というのも“名字だけ”が多く、所属や立場に触れないケースも多々あります。
これは、“3.「所属」「立場」を明示”で述べたように、円滑な商談を進める上で適切な対応とは言えません。

本来、企業間の商談とはWin-Winを目指して行うものです。その為の「名刺交換」の役割をこの機会に改めて見直してみてはいかがでしょうか。